2023/06/16
CONCEPT

仙台市宮城野区二十人町に新築した保育所型認定こども園。仙台第4代藩主伊達綱村が桜を植樹して民衆に開放して以来桜の名所となったと言われている榴岡公園の東隣が敷地です。
仙台市内でも人口増が見込まれる都市部で、敷地は約70坪ですが、ここに定員60名規模で建てるため計画を何度も練り直しました。
保育室の有効面積の確保に加え、駐車台数、園庭の面積などもあり、基準を満たすため、1階にピロティ駐車場(敷地外にも駐車場を確保されています)、2,3階に保育スペース、4階に遊戯室と職員のためのスペースと調理室を設け、園庭は5階レベルとなる屋上園庭としました。
保育室は移動間仕切りでフレキシブルな空間構成にし、2階にはビニールプールも設置できるバルコニー型園庭を設けています。
3階は行事の際に使えるようにより一層の広い空間を確保し、2,3階ともトイレなどの水廻りは保育室に直結させています。
この建物は、地震に強い耐震構造の鉄筋コンクリート造としていますが、中央に構造上出てくる柱の存在を逆手にとって、柱の4面にボルダリングを取付け、遊びと色の要素にもしました。
また、大通りに面していることを生かして、大きな出窓ベンチを設けて、おともだちと腰かけたり、隣り合って本を読んだりできる場所として、外に園児たちが笑顔を振りまいてくれる姿を想像して設計しました。その大窓には桜モチーフのガラスフィルムを貼り、換気用に開閉できる安全なスリット構造も採用しました。
4階は榴岡公園を見下ろす高さで、職員の方々がリラックスできるスペースも用意しています。
調理室からの食事はダムウェーターにより保育室にサービスできるため、先生の労力を軽減し、調理室内のダムウェーターの出入口を2方向タイプにして、清潔ゾーン、下膳ゾーンの厨房機器配置と関係づけて使用できるように工夫しました。
屋上園庭は人工芝張りとし、シャワーやトイレを併設しました。転落防止のため手摺は2m以上の高さまで設け、その中でも眺望用の覗き穴を6箇所設けました。
1階風除室の自動ドアはオートロック仕様とし、来客を確認した上で、先生が解除できるようにするとともに、防犯カメラも設置し、セキュリティ対策を行いました。災害時に対応するために2方向避難となる階段を当然に設けています。
カラーリングにもこだわり、各フロア毎にイメージカラーを採用し、表面強化タイプの丈夫なクロスを腰壁の上部には張っています。
サインもシンプルですっきりとした形で空間のアクセントの役割を果たしています。
また、照明計画でも細かなゾーン分けをしつつ、丸、四角、星形、雲形といったシリコン製の割れない器具をブラケットやペンダントライトで採用しました。
都市型こども園の一つの形として、「笑顔咲くこども園」が園児の成長の場になることを願っています。
DATA
竣工年月 | 2023年3月 |
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所在地 | 仙台市宮城野区 |
主要用途 | 保育所型認定こども園 |
建築種別 | 新築工事 |
構造・規模 | 鉄筋コンクリート造5階建 |
建築面積 | 194.08m2 |
延床面積 | 758.89m2 |
階数 | 地上5階(5階に屋上園庭) |
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